こんにちは、エンジェル投資家のびずぷら(@bizpla11)です。
また新しい案件が出てきたので、サクッとサラッと解説します!
株式投資型クラウドファンディングFUNDINNO(ファンディーノ)。今回の案件は、ファイナンシャルテクノロジーシステム株式会社です。
目標募集額 | 18,000,000円 |
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上限応募額 | 50,000,000円 |
申込期間 | 2018年5月3日〜2018年5月7日 |
投資金額 | 12.5万、25万、50万の3コース |
この記事では、ファイナンシャルテクノロジーシステム株式会社からリリース予定の紙帳票解析エンジン「FTS AI Platform」とはどんなサービスか解説します。
帳票電子化 、AI、RPAと日本のIT業界のトレンドに乗っている感じがしますね。
2018.5.4追記
今回もわずか7分で目標募集額の1,800万円を達成したようです!
エンジェル投資が流行るのはいいことですが、本当に投資したいときに買えないじゃんってことになりそうですね。
目次
ファイナンシャルテクノロジーシステムってどんな会社?

ファイナンシャルテクノロジーシステム株式会社は、Fintech分野のシステム開発を得意とする会社のようです。
Fintechといってもピンキリですので、詳しく見ていきましょう!
Finance(金融)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語です。ファイナンステクノロジーの略となります。
最初にホームページから経営理念を拾ってみます。
「金融業界のイノベーターとして、最先端IT技術を創造・利活用し、金融市場の発展・革新をお客様と共創し続けます」
少なくとも
- 最先端IT技術があり
- 金融市場に強みがある
会社を目指しているとみてよいでしょう。
そこで生み出されるサービスがFTS AI Platfomです。
紙帳票解析エンジン「FTS AI Platform」とは?
どんなフォーマットの帳票でもAIが画像解析し、OCR技術と組み合わせて、帳票を項目ごとにデータ化できるプラットフォーム「FTS AI Platform」だそうです。
OCRは昔からある技術です。手書きや印字された文字を、紙を読み込みながら自動で電子化する仕組みのこと。FAXを読み込んでデータ化するといった風に使われます。
FTS AI Platformとはどんなものか、イメージで掴んでもらうのがよいでしょう。

紙に印刷された文字の場所、枠などをAIで認識して、データ項目を抽出する仕組みのようです。
紙文化をなくす!帳票電子化のトレンド
デジタル化が進んだと思われがちですが、意外と紙の文化は大企業を中心に残っているのが実態です。
「各社バラバラのフォームで送ってくるドキュメントを電子化したい」
自社だけで対応できないところもあり、顧客からもらう紙の請求書や印刷物をもとにデータ入力をする業務というのは、どの会社でも結構あるはずです。
この紙文化をなくし電子化するというのは、IT業界の大きな流れであることは間違いありません。
FTS AI Platformは、そのトレンドに見事にのっています。
AIを活用。IT業界のトレンド
もうすっかり日常に定着しつつあるAI(人工知能)です。
何かよくわからないけど、すごいことしてくれそう、そんなイメージかもしれません。
昔からあるAIの活用の一つが画像解析です。今回のFTS AI Platformも、AIを画像認識として活用することで、帳票フォーマットを学習して適切な解析方法を見つけ出すようです。
RPAによる業務効率化のトレンド
RPAとはRobotic Process Automationの略で、データをダウンロードする、コピーする、定型文字を入力するなど単純なルーチンワークを自動化するテクノロジーです。
2020年には世界で5,000億円に達する市場規模と言われています。
FTS AI Platformで電子化するというのも広い意味でRPAと言えます。こちらもトレンドに乗っています。
管理人びずぷらは投資する?

帳票電子化、AI、RPAのどれもがIT業界のトレンドであることは間違いありません。
その流れにのっている「ファイナンシャルテクノロジーシステム」という会社。
すでに某証券会社へのサービスローンチを計画中と順調な滑り出し。
どのように思いましたか?
びずぷらは投資しません。
なぜか?
帳票電子化は、あくまで「今」の問題解決です。今、企業が抱えている問題を解決する現実的なソリューションだとは思います。
一方で「紙」がすごい勢いで減っているのも事実です。
金融機関への申し込みなども、すべてオンラインで完結しつつあります。免許証のデータ読み込みはあるかもしれませんが、かなり限定的です。
ブロックチェーンなどの技術も普及しつつあるため、データ交換を安全にかつ容易に行うことができる環境が整いつつあるのも大きなトレンドです。
もし限定的な電子化であったり、期間が限られているものであれば、必ずしもFTS AI Platformでなくてもよいかもしれません。
特定の機能を作り込むことでより精度をあげる方法もありますし、人海戦術も一つのソリューションになりえます。
FUNDINNOの案件ではBank Invoice社のように、そもそも紙をなくすソリューションの方が未来があると、びずぷらは考えます。
またRPAとFTS AI Platformは、そこまで大きな関係はありません。
今回のサービスは帳票電子化のカテゴリーであり、RPAとは別と捉える方が自然です。
帳票の電子化自体はRPAの前提として重要ですが、帳票電子化そのものの方法はいくつもあります。
まとめ

この記事では、FUNDINNOの案件であるファイナンシャルテクノロジーシステム株式会社と、そのサービスである「FTS AI Platform」について解説しました。
辛口コメントをしてしまった今回の案件ですが、短期的には成功する予感もしています。案件もありそうですし、現実に困っている会社も多いと思います。
ただし個人的には、AI、RPAだと流行りの言葉を使っているわりには、ハッピーな未来を想像できませんでした。同じFintechというポジションで応援するなら、Bank Invoiceだなって思ってしまいます。
細かい話ですが、資金使途でサーバー増強500万円も気になりました。今時クラウドじゃないのかなとか。
それでは、また!
※投資判断は自己責任でお願いします。
